壮大なテーマですね。
「心理」って「真実」?
カウンセリングや企業研修で多くの方々と対面するとき、よく聞く声があります。
それは、
「上司に言われます。それはあなたの主観だから、もっと物事を客観的に見て本当の現実を検討しなさい、と。」
何かの事象に対して自分の感じ方を優先するあまり、現実とかけ離れていることがあると、示唆するアドバイスがあったようですね。
確かに、人は思い込む生き物です。
だから自分の感じ方や捉え方、考え方で物事を解釈していると、実際とは差異が生まれる可能性はあるし、それがほとんどでしょう。
仕事をしていると先のようなアドバイスがあって、自分の気持ちは横に置き、客観的な目線で業務を行うことの大切さ、妥当性が学べます。
客観性とは、誰でも可能な再現性があること、とも聞きます。
自分の感じ方や捉え方は誰でも同じかというと、そうではありませんよね。
だから客観性に欠くし、それを基準にすると相手や周囲から理解が得られなかったり、自分の思いも叶わないのでやりにくさを感じたりします。
客観性という共通言語をもって仕事をすることは、時に必要、というわけです。
客観性イコール真実、と思っている人も少なくありません。
では、自分の感じ方や捉え方、考え方というのはどうでもよいのでしょうか。
カウンセリングでは、それも「真実」と認識します。
なぜなら、生きている本人が実際に感じているし、捉えているし、考えているからです。
紛れもなく存在するものですよね。
無視すると、ある意味片側からしか物事を見ていないことになるかもしれません。
自分の気持ちも肯定し、それとどう向き合っていくのか。どう取り扱うのか。
それらを相手や環境と適応させ活かしていくために、どうするとよさそうか。
内面のワーク、内面の成長というのは、そういう試みの積み重ねで進むもののように思います。
カウンセラーとして、一個人として、目下私自身も内面の研鑽中ですけど…。
相談される方々と、ともに見つめていき、検討していきたい「心理」は、ある意味において大切な「真実」だと思っています。
(齋藤美由紀)
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