「意味への意志」を探求し、自己実現を目指す支援を。 「意味への意志」という言葉は、オーストリアの精神科医であり心理学者でもあるヴィクトール・フランクルにより、ロゴセラピーの中で提唱されているものです。

私たちは、生きていく中で様々な人や物事に出会いますが、それらに対し、自分の感性や価値観をもって受けとめ、理解し、次への言動につなげていくパターンを何度となく繰り返しています。
そういった日々の言動は、あるときは周囲や社会に受け容れられ、認められたり、喜ばれたりして、自分の中でもうまくいく感覚が得られます。しかしあるときは、相手や場にネガティブな印象を与え、誤解されたり、反撃されたりして、自分の中にうまくいかない感覚が生まれます。

人生に起こる出来事の中には、想定外、希望しないことがよくあり、時に困惑させられます。
そんなとき、人はどう向き合っていくのでしょうか。

同じことが起こっても、人により反応や行動は様々です。これまで生きてきた中で蓄積されたパターンを駆使しそれらを理解していく中で、前向きになれる人と、後ろ向きになってしまう人がいることでしょう。どちらが良いというわけではありません。人は、そういう生き物です。

支援の場で大切にしているフィロソフィーがあります。
「私たちは、人生に意味を問うのではなく、人生から意味を問われている存在である」
ヴィクトール・フランクルの言葉です。
自分の人生に起こる全てのことは、人生から問われているメッセージであり、それにどのような態度で向き合うかにより、自分の人生の意味は決まる、としています。
私たちは人生において、自分が生きている意味、自己を活用できる領域、自分が成長できる機会を無意識的に求めていて、それは自分という人間の、次元を超えた存在自体を探す旅でもあり、別の言葉でいうと「自己実現を目指す」ということでもあります。なぜこうありたいのか、何をしたいのか、どのようにしていくのか、の探求は、些細なことであってもひとつひとつが存在の「意味」につながるのです。

実際に、人の支援、組織の支援に携わりながら、この「意味」を探り、そこに関わる人や組織の「意志」を醸成することを目指していくと、「意味」や「意志」が、人を活き活きとさせ、組織を動かし、自分の足で歩んでいる感覚をもたらしてくれるのを目にします。

数々の人材支援を行ってきた中で、人は唯一無二の存在であること、それぞれに個性があること、そしてそこに特有の意志が存在することを感じてきました。誰もが人生という物語の主人公で、その人にしか持ち得ない輝きと魅力があります。そしてその人にしか、自分の人生の豊かさを作ることはできないのです。

日々出会いながら、お一人お一人の輝きや魅力に感動する、そんな恩恵に感謝するとともに、人間であればこそ味わえるシナジー（相乗効果）が、多くの力を引き寄せ、眠っている可能性を目覚めさせる確信も得ています。これからもたくさんの人や組織の支援に携わっていき、その実際を共有し、ともに歩んでいきたいと考えます。